ピンク×白の華やかな紅白椿が今年も無事花開きました♪s-1281

【実家に帰ると、今年も祖母の形見の紅白椿が咲いていた】

紅白椿(紅白絞りとも)。祖母の形見のお花です。

このお花、フシギなことに、祖母が亡くなった翌年から咲き始めたんです。

祖母が生きているうちは、ぜんぜん花が咲かなかったんですね。

祖母は懸命に、あの手この手で咲かせようと努力していた。

「育て方は間違ってないハズなのに、なぜ?」と誰もが首をひねっていたら、

祖母の突然の訃報。その年の春先に咲いたのが、この紅白椿です。

なんだか生まれ変わりのような気がしてなりません。

s-1282その名のとおり、紅白のお花もあれば、こういう薄い桃色のお花もアリ。

まるで着物の絞り染めのように、縞柄になっています。大輪で華やか。

祖母はものすごく質素な生活を送った人で、華やかな着物は一度も着ず、

いつも紺色か茶色系の簡易の着物を着てました。

こういう華やかな着物に袖を通したことはあったんだろうか?(婚礼衣装のほかに)

今ではいろいろ尋ねたいことがいっぱいあるんだけど、もう遅いんですよね。

【何か語りかけてくるかのよう・・・。鮮やかな紅白椿】

tsubaki出典 https://ja.wikipedia.org/

咲いたものを摘んで花器に入れたら、その夜にはすでにしんなり。

つぼみのうちに摘んでおいて、花開くのを楽しむのがいいのかもしれない。

庭の一角には鈴なりにこの紅白椿が咲き誇っていて、すごく目を惹きます。

私、祖母の事は何も知らないんです。自分のことを一度も語ったことがない人でした。

私は幼少時を祖父母と一緒に暮らしたんですが、

祖母は黙々と常に立ち働いていたもので、会話らしい会話をした覚えがない。

なので、祖母がどんな人だったのか、親に聞くしか術はないんですね。

とにかくつつましく、ささやかに暮らしていたそうです。

戦争中の厳しい時代そのままに、という印象でした。

だから性質的に厳しいところがあり、幼い私はあまり近寄らなかったようです。

申し訳なかったなぁ・・・なんて、今さらどうしようもないけど思ってしまいます。

一緒に暮らしていた相手のことを何も知らないなんて、なんだかわびしいです。

形見である紅白椿の花も”語らず”です。でも何か訴えるものがあります。

祖母はどんな人だったんでしょうか。それを知ることは、この先絶対ないんです。

すべては生きているうちにこそ、ですね。


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